vol12 : プロジェクトファイルを作りなおすよ


前回はテンポを決定しました。
で、こまで88BPMで作っていたプロジェクトを90.5BPMに変更するわけですが、MIDIデータのトラックはともかく、レコーディングしているギターなどのトラックは録り直しになります。


最近のDAWはオーディオのストレッチの品質が良くなっているので、88から90.5くらいならグイっとストレッチしてもそこそこ使える音にはなりますが、ここはやはり録り直します。
今回はこのタイミングで一度プロジェクトファイルを作り直しました。
理由は
1) サンプリング周波数を変えたかった
2) トラックがゴチャゴチャしているのを整理したかった
3) プラグイン類を一旦リセットしたかった
などなど、です。

1) サンプリング周波数を変える

まず、サンプリング周波数ですが、僕は普段は44.1kHzか88.2kHzを使用しています。ただし88.2kHzは再生できない環境がたまにあるので最近は96kHzにすることもあります。つまり48kHzは使いません。ところが、なぜかこのプロジェクトは48kHzで作っていたのです。これに途中で気づきました。なので、これを44.1kHzに変更するタイミングをうかがっていたのです。
しかし、結論を言うと、48kHzのままで行くことにしました。というのも案外48kHzの音が良いと思えたからです。作業中の音に慣れたのもあるかもしれませんが、これまで避けていた理由である「48kHzの中途半端な感じ」特に44.1kHzにダウンサンプリングした時の不自然さ、があまり気にならなかったのです。むしろ44.1kHzだとちょっと大人しいというかひ弱な感じがしました。
そういうわけでこのプロジェクトは僕の初めての48kHzプロジェクトとなりました。

2) トラックがゴチャゴチャしているのを整理

これは、MIDIでデモを作ってる段階から、レコーディング、MIXと同じプロジェクトファイルを使っていると、なんかいろいろとゴミのようなトラックが増えていったり、複雑なフォルダ階層になったりしているので、不要なものをゴソっと削除したかったのが理由です。
もちろん同じプロジェクトファイルのまま削除してもいいんですが、気分的には一から配置しなおした方が気持ちをリセットできるのでそうしました。実際の手順としては一トラックずつコピペなのでそんなに大変ではありません。この作業で必要なトラックと不要トラックの選別ができますし、いらないのに残っていた変なパラメータなども初期化されるので一石二鳥です。

3) プラグイン類を一旦リセットしたかった

曲のアレンジを考えながら適当にプラグインを抜き差ししていると、トラックにインサートされているプラグインが冗長だったり、バスにまとめた方が良いものがあったりします。また、そのプラグインのその設定が最適なのかどうかというと、曲作りの段階のパラメータは案外いいかげんに決めていることが多いので、このタイミングで一旦リセットしてエフェクトを整理します。
ただし、この段階でもあくまでも仮です。今はまだミックス作業ではありませんので。
これまでに使用していたエフェクト類はこちらで紹介しました。実際にはトラックが増えていくにつれ、これに加え Sonnox Oxford のいくつかのプラグインを追加していました。
しかし、このプロジェクトの再作成の際にこれらのエフェクトプラグインを一旦全削除し、最小限必要なものをSONARの内蔵エフェクトのみで組み直しました。すると、案外内蔵エフェクトオンリーでも悪くない印象です。

使用したプラグイン

SonnoxとiZotopeのプラグインの変わりに、以下のSONAR内蔵プラグインを使用しました。
(これまでに引き続きSonitus:fx系のプラグインも使用しています)

TS64

com12_ts64.jpg
一家に一台はあると便利なトランジェント・シェイパー系プラグインです。ダイナミクス系で、アタックやリリースをコンプでうまく作り込めない時に重宝します。TS64は初めて使いましたがなかなか良いんじゃないでしょうか? ギターのカッティングに使用しています。

PXS64

com12_px64.jpg
パーカション用のチャンネルストリップです。これは何度か使ったことがあるんですが、ドラムミックスのバスに差してトータルの質感を調整するのに重宝します。シェイパーもついているので、リバーブ以外はこれでいけるのではないかと思います。かなり使えます。

ProChannel(コンプ、EQ、サーチュレーター、コンソールエミュ)

com12_pro_channel.jpg
最近のSONARのコンソールにビルトインされているチャンネルストリップです。どれもそこそこ使えます。コンソールエミュは他を使ったことがないのでなんともいえませんが。EQはインターフェイスも Sonnox Oxford EQ に似ていますが、音もわりと似ています(じゃSonnoxいらないんじゃね?)。

ProChannel(BReverb2)

com12_breverb2.jpg
同じくProChannelですが、リバーブのバスにだけBReverb2を差しています。これは初めて使ってみたのですが、DAWのオマケと侮ることなかれ、かなり良いリバーブです。

Boost11

com12_boost11.jpg
Ozoneの変わりに差したマキシマイザーです。これは…ダメですw 使うとしても髭取りくらいにしましょう。

では聴いてみましょう

Sonnox + iZotope でゴテゴテしてるバージョン

SONAR内蔵エフェクトのみで再構成したバージョン


ギターアレンジ変わってるじゃん! とかエフェクト以外にも変更があるので単純比較はできませんが、いろいろなエフェクトを差してモコモコになっていたのがスッキリしました。

現在の進行状況

作詞:100%
作曲:90%
編曲:77%
動画:1%
次回は恒例の脱線編、 そもそも「ビット」とかって何? をお送りします。

(2017/05/12追記)

完成動画はこちらになります!


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です