月別アーカイブ: 2024年3月

複数DAW併用時のショートカットについて考える


DAWの併用あるいは乗り換えについて

このブログには何度か書いてると思いますが、僕はたくさんのDAWを併用しています。

基本的には、DAWは一つをしっかり使ったほうがいいです。DAWごとに機能や使い勝手が違ったり、付属のプラグインなども違うので、「他のDAWに変えたら新しい世界が開けるんじゃないか!?」と期待している人もいるかもしれませんが、そういうのは「隣の芝生が青く見える」だけで、実際には今使っているDAWを使い倒したほうが何倍も良いです。時間の効率、金銭的コスト、ストレス、さまざまな点で、DAWの併用や乗り換えはデメリットが多いです。

しかし、いろんな事情でDAWを併用することになった人もいるでしょう。この記事はそういう人をターゲットにした記事です。

複数のDAWを使う場合、ショートカットは統一すべきか?

ショートカットのカスタマイズ。これは僕が何度も思い悩んだテーマです。

今のところどうしているかというと、それぞれのデフォルトセッティングのままにし、「必要な機能なのにショートカットが割り当てられていない場合」のみ追加設定しています。なぜかというと面倒だからです。

DAWごとに細かい仕様が異なるため、同じショートカットにしたからといって同じ動きになるわけではありません。たとえば、アレンジウインドウのマウスホイールでのスクロール一つ取ってみても、仮に動きを統一したとしても、DAWによっとホイールがアレンジウインドウ上にあれば動く場合と、選択していないと動かない場合があったり、トラックの選択は変わるのか変わらないのかなど、細かい点に違いが出るため、使い勝手は同じにはならないのです。

他にも、DAWによってどこまでカスタマイズできるのかが違うため、自分が気に入った方に合わせるというよりは、カスタマイズ性の低い方に高い方を合わせるしかない、とか、基本的なショートカットだけ合わせたいのに、そのキーがすでに使われていたりして玉突きでいろいろ変えないといけなくなりドツボにはまる、とか、カスタマイズしすぎるとに他の環境の同じDAWが使いにくくなったりとか、いろんな罠があります。

そういうわけで、これまでショートカットは統一してこなかったんですが、しかし純粋に制作している間だけの作業効率の観点からいえば、統一した方がいいのは間違いありません。

今回、Cakewalk by Bandlab から Reaper にメインDAWを移行しようと考えているのですが、それに合わせて、ショートカットの統一に挑むことにしました。

どのショートカットを共通化するか

とはいえ、DAWごとに機能が異なるため、すべてのショートカットを統一するのは無理です。まずはどのDAWでも使う基本動作であり、かつ間違いなくカスタマイズできるであろう、以下の点について統一してみようと思います。

  • アレンジウインドウやMIDI編集ウインドウの上下左右のスクロールおよびズームに関するもの。
  • トランスポート関係。再生、ストップ(現在の位置)、ストップ(再生位置)、先頭に移動、最後に移動、早送り、巻き戻し、録音、など。

やってるうちに他にも統一したいものは出てくるかもしれませんが、最低限これだけはやっておこうと思っています。

なお、現在持っているPC/MacにインストールしてあるDAWは以下のとおりです。

  • Cakewalk by Bandlab 最終版
  • Samplitude 最新版
  • FL Studio 最新版
  • Reaper 最新版
  • Bitwig Studio 5.0.11
  • Digital Performer 9.52
  • Ability Pro 3.0.5.2
  • Ableton Live 9.7.7
  • Logic 最新版

なお、LogicのみMac、Bitwig と Reaper は Windows と Ubuntu、それ以外は Ubuntuです。

他に、Renoise も使っていますが、これはUIが独特でショートカットを統一することが原理上不可能なため、除外します。

各DAWのショートカット調査

※このセクションは今後随時編集していきます。

スクロール&ズームショートカット

●Samplitude

縦スクロール:MW, Shift+上下キー
横スクロール:Shift+MW, カーソルキー(ポインタ移動)
手のひらツール:

縦ズーム:Ctrl+MW
横ズーム:Shift+Ctrl+MW, Ctrl+左右キー, 上下キー
縦横同時ズーム:Ctrl+Alt+MW
横ズームアウト全体:Ctrl+Alt+Up

●Cakewalk

縦スクロール:MW
横スクロール:Ctrl+Shift+MW
手のひらツール:

縦ズーム:Ctrl+上下キー(MWなし?)
横ズーム:Alt+MW, Ctrl+左右キー
縦横同時ズーム:

●DP

縦スクロール:MW, PageUp/Down
横スクロール:Shift+MW, Win+左右キー
手のひらツール:

縦ズーム:Ctrl+上下キー
横ズーム:Ctrl+左右キー
縦横同時ズーム:Ctrl+[, Ctrl+] (違う?)

●Bitwig

縦スクロール:MW、上下キー(選択トラックも変わる)
横スクロール:Alt+MW
手のひらツール:

縦ズーム:なし?
横ズーム:Ctrl+MW
縦横同時ズーム:

●Ableton Live

縦スクロール:MW
横スクロール:Ctrl+MW
手のひらツール:

縦ズーム:
横ズーム:Shitf+プラスマイナス
縦横同時ズーム:

●ABILITY

縦スクロール:左ペインでMW
横スクロール:MW
手のひらツール:

縦ズーム:
横ズーム:Ctrl+MW
縦横同時ズーム:

●FL Studio

縦スクロール:MW, 上下キー
横スクロール:スクロールバーでMW, 左右キー
手のひらツール:MWドラッグ

縦ズーム:Alt+MW
横ズーム:Ctrl+MW, PageUp/Down
縦横同時ズーム:

●Reaper

縦スクロール:Ctrl+Alt+MW, 左ペインでMW
横スクロール:Alt+MW
手のひらツール:

縦ズーム:Ctrl+MW
横ズーム:MW
縦横同時ズーム:

トランスポート関係

※未調査

これに統一します!

※まだ決まってません。ここは随時更新します。


近況


みなさんご無沙汰しております。

現在子育て中のため、まとまった時間が取れず、ボカロPとしての活動を大幅縮小しています。そのため新曲の発表や動画の公開などはしばらく行わない予定です。

ですが、この間にも細々と時間ができることがあるので、それを利用して、制作環境の見直しを行っています。

これまでは以下のような制作環境でした。

  • メインDAW:Cakewalk by Bandlab
  • サブDAW:FL Studio
  • ミックス以降のDAW:Samplitude
  • 主なプラグイン:Sonnox Oxford、iZotope、Softube など

最近いろいろなDAWやプラグインを使ってみて、今後は以下のような環境で制作を行う予定です。

  • メインDAW:Reaper
  • サブDAW:Bitwig Studio
  • ミックス以降DAW:Samplitude
  • 主なプラグイン:TDR、Melda、Acon Digital、UADなど

メインDAWを変える理由は、Cakewalk by Bandlab が開発終了になったものの後継の Cakewalk Sonar の情報がなかなか出てこないことが主な理由です。サブの FL Studio については最近の開発傾向が「普通のDAWっぽくなってきている」ことによってかえって FL Studio らしさが失われ、使いにくくなっていると感じているため、使い続ける気持ちが遠のいてしまいました。

そこで、Cakewalk by Bandlab の代わりになるフルスペックのDAWとして Reaper を、FL Studio の代わりになる変態DAWとして Bitwig Studio を導入しました。

プラグインについては流動的で、これまで使っていたものも引き続き使っていくとは思いますが、Sonnox Oxford については徐々に利用頻度が下がっていったので、Limiter、Reverb、Supressor、Envolution については多少使用すると思いますが、それ以外は使わないかなーと思っています。iZotope についてもUIがどんどん使いにくくなってきてやりたいことが簡単にできないという不満がでててきたので、最近はあまり使っていません。今考えると、Ozone 5 + Alloy 2 あたりが一番使いやすかったです。

最近導入したのはネイティブ化された UAD や Plugin Alliance、Pulsar と行ったメーカーの実機エミュ系プラグインと、TDRの各種プラグインです。TDRについてはこれまでノーチェックだったのですが、かなり気に入りました。Meldaについてはこれまでも多少使っていましたが、使えるものと使えないものの選別がだいぶできてきたので、いくつかは使う予定です。リバーブについてはこれまでにも違うものをといろいろ試してきたのですが、結局 Sonnox Oxford Reverb に戻ってきてしまう、という状態でした。今回は Acon Digital Verberate と Valhalla Room、SSL Flexverb を導入しましたので、しばらくはこの3つの使い分けでやってみようと思っています。

この辺のレビューなどは随時このブログでもやっていきたいと思います。