vol.19 : 縦長一枚絵を描く – その1


前回、だいたいの構成とラフができました。
今回はその中でも一番大物のBパートの一枚絵をできるところまで描いていきます。
※内容がずれてきたのでFC2ジャンル/テーマを変更しました。

サイズの決定

今回の絵は動画で縦スクロールさせるのが目的なので、通常のイラストと違って解像度や縦横比が重要になります。
ラフ絵は1280×6000で描いています。実際に動かしてみた際にスクロール速度からして4800あたりで終わるのがちょうどよい感じだったので、画像の縦横比は1280×4800の4:15あたりがベストということになります。
解像度はフルHDを想定して幅を1920にします。すると高さは7200になります。というわけで、これから1920×7200のイラストを描くことになります。

使用アプリの決定

再掲しますが、ラフはこれです。

大雑把に言って、線画は背景の建物をベクターでかっちり描き、キャラはラスターで自由に描く、塗りは質感重視で、という方針を立てました。
パースのないアイソメ絵なので、最近のお絵かきソフトに付属の消失点や水平線のついたパース定規は使用しません。そのかわりにベクターソフトで並行のガイドを引いてから描くことになります。かなりテクニカルな描き方になりますので、背景の線画とベースの塗りには Inkscape を使うことにします。
キャラの線画とベース塗りにはラフでも使用している CLIP STUDIO PAINT を使用します。線画はベクターレイヤーを使用します。
Inkscapeの背景とクリスタのキャラをまとめ、細かな塗りと質感を追加するのには Painter を使用します。
最後の色調整はおそらくGIMPでやることになるでしょう。
というわけで、この1枚に4つのソフトを使用することにしました。この辺は好みなので気に入ったソフトを使えばいいと思います。Adobeが好きな人はIllustratorとPhotoshopだけでも同じようなことが出来ないことはないと思います。

下書き

アイソメなので順序としては背景から描くのですが、背景を描く際にキャラを置いておいた方がわかりやすいので、まずはラフを下敷きにしてキャラの下書きをします。
ラフの線画レイヤーのみを表示させ、その上のレイヤーに下書きしていきます。この時点ではまだラフと同じ幅1280の解像度で描いています。

(クリックで拡大)
下書きのコツとしては、薄っすら見えているラフと見比べるとわかると思いますが、ラフは位置とポーズを参考にする程度で描く時にはあまり見ていません。あとはパースを殺すことを気にしながらひたすら描いていきます。
僕は絵師ではないのでこの辺の作業はあまりサクサク行くわけではありません。週末を使いながら6キャラずつくらい数日にわけで描いていきました。趣味でやる限り時間は無限に使えますが、ちゃんと仕上げるにはとにかく時間制限を作ることです。1キャラ30分のような制限をつけておくと適度に妥協が生まれてうまく進むと思います。実際には1時間で3キャラくらい描いていたと思うので、平均20分くらいでしょうか。その中でも資料を探したり見たりする時間が半分くらいを占めています。
描き上がりはこちらになります。

上に行くほど線に迷いがなくなっているのがわかるでしょうか。実はクリスタを使うのはこれが初めてだったので、後半にやっとベクターレイヤーでの線画描きに慣れてきたことが大きいです。あと、描いている最中に画力そのものが多少上がってきたこともあるかもしれません。普段あまりこういう絵を描いていないので、まだ伸びしろがあるんだということにしておこうかと思います(笑)。
ここまで下書きしておけば、清書はわりと簡単です。が、まだ清書はしません。なぜかというと、ここに登場する(=コーラスに参加する)ボカロが最終確定していないからです。ラフと下書きでもすでにいくつか追加されていますが、この後もいくつか追加する可能性があるので今のところは下書きにとどめておきます。

今後の予定

この下書きを Inkscape に持って行って、ガイドラインと背景を描いていきます。
次回はこの作業に加え「アイソメって何?」についても書きたいと思います。

現在の進行状況

作詞:100%
作曲:90%
編曲:80%
動画:15%

(2017/05/12追記)

完成動画はこちらになります!


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