前回はコンテを書きました。今回はそのコンテを元に実際の尺でダミーの動画を作成します。
これを作成する理由は、実際に用意する素材のフォーマット(画像のサイズなど)を決定することにあります。
コンテを分解する
前回用意したコンテでは一枚絵を縦スクロールさせるようになっていました。
しかし、実際にこのコンテを動画上でスクロールさせてみるといろいろ不都合があることがわかりました。まず、数分間のスクロールに耐えうる一枚絵はかなり縦長くなり、それを描くのは現実的ではない、と考ええるようになりました。また、スクロールさせるにしても、コンテのようなパース絵では具合が悪く、パースのないアイソメ絵の方が適当だということもわかりました。(アイソメについては次回解説します)
そこで、曲の構成に合わせて絵を分割し、その一部として縦スクロールを使用することにしました。
上記のように全体A~Eの5パートに分けて、さらに緑線の部分(Aメロ開始地点)にはリードボーカルを担当するボカロ(1番はGUMI、2番はIA)が登場する、という全7パート構成にしました。
ラフ絵を描いて並べてみる
上記の構成にそってラフを描き、実際の動画にしてみました。
動画は今見せてしまうと面白くないので(笑)、静止画でお見せします。
ラフ絵はすべてクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)で描いています。
ボカロなんてこれまで描いたことがなかったので、画像検索などで資料を集めてなんとか何のキャラなのかわかる程度にはなっているつもりです。現段階ではこれでご了承ください(笑)。
Aパート:イントロ
地球上でコミュニケーションが行われている、というのをデフォルメしたアンテナや電波っぽい何かで表現しています。
タイトルはイントロが流れている間に出てAメロが始まる前に消えます。
GUMIカットイン
タイトルが消えたあと、Aメロが始まる前の一瞬に地球の前にかぶさるように1番ボーカルのGUMIが登場します。
Bパート:縦スクロール
コンテの時点で想定していた縦スクロールはここに登場します。コンテでパース絵だったものをアイソメで描き直しています。線自体はかなりラフですが、キャラのポーズや立ち位置は基本的この時点でFixしています。あとはキャラの追加などで少しずらす程度です。
Cパート:間奏
ここはあまり考えていないのですが、止め絵を数枚のあと一旦宇宙に戻るように考えています。なぜかというとその後のボーカルが登場する演出を1番と合わせるためです。
IAカットイン
間奏が終わる直前、Aメロが始まる前の一瞬に地球の前にかぶさるように2番ボーカルのIAが登場します。
Dパート:2コーラス目
ここは止め絵3枚程度でAメロからサビまで保たせます。4枚めは転調後のサビ(全ボカロコーラス)です。
止め絵で保たせるためにちょっと情報量多めの絵が良いかもしれません。GUMIとIAの後ろ姿は共通です。
Eパート:エンディング
転調サビの後半から引いて宇宙に上がってきます。
この辺の程よいタイミングでエンドロールがでてきます。
最後は黒にフェードアウトして終了です。
今後の作業計画
今回は一人制作のためコンテの直しを省略しましたが、動画を複数人数でコラボレーションで作る場合にはここまでをコンテとして用意した方がいいでしょう。
今後の作業は各パートごとに仕上げていくだけなのですが、大きく分けると4つの作業になるかと思います。
・宇宙:Aパート、Cパート後半、Eパートは共通素材をベースに編集できるため一つの作業となります。ここは3DCGでやろうと思っています。
・Bパート縦スクロール画像描き:たった一枚ですがサイズもキャラ数もかなりものなので時間がかかるでしょう。
・Dパート:背景3枚+後ろ姿キャラ+コーラス隊をレイヤー分けして描きます。ラフ絵の段階でかなり良い出来だと思っているので、後回しでも大丈夫でしょう。
・GUMIとIAのカットイン:これらは一瞬の登場なので、手抜きもできるし手入れもできます。Bパートの進行具合を見ながらどのくらいちゃんと描くかを決めていくことにします。
次回は、Bパートを描き始めます。
現在の進行状況
作詞:100%
作曲:90%
編曲:80%
動画:10%
(2017/05/12追記)
完成動画はこちらになります!