「今夜もデバッグ」動画用イラストその3


前回は線画まででした。今回は塗りです。

解像度について

解像度のことを前回書いていませんでした。今回動画はニコ動で公開することを想定しています。ニコ動の最大解像度は854×480ですが、将来おそらくもっと大きくなることが予想されます。また他のメディアで出す可能性もありますので、完成動画はフルHD(1920×1080)で出力することにしました。
で、絵素材は基本的に4K(3840x2160)で描いています。理由は、絵そのものは引いた状態で描き、編集時に拡大したりするようなことがあるので、拡大に耐えられる解像度である必要があるからです。4Kで書いておけば、縦横それぞれ200%の拡大トリミングで等倍(ドットバイドット)となりますので、かなり余裕があります。
ただ、やってみてわかったのですが、動画編集に使用するAVIUtlが高解像の素材に弱く、動作が不安定になります。なのでAVIUtlを使用する場合はもうちょっと小さい方がいいかもしれません。

塗りの手順

実はCLIP STUDIO PAINTはまだ経験が浅く、どういう塗り方が良いのかは今回試行錯誤でした。基本的にはよくある塗り分け→クリッピングして塗りこみの方式でやりました。
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直前まで作業していたのがアニメーションだったので(「回るコミュニケーション」メイキング参照)、自然と影用のトレス線を描いてバケツ塗りというスタイルで塗り分けしました。これらはパーツごとにすべて別レイヤーにしています。
クリスタのパレットは使いにくい(というか使い方がよくわからない)ので、一番上のレイヤーに色を置いてスポイトで取って描いています。
本来塗り分けは塗り分け安い派手な色でやった方が効率がいいのですが、僕の場合は色味の確認を同時に行うので、最終イメージに近い色で塗っています。なお、これらの作業は実際には8枚の絵を並行して行っています。パレットも同じです。
dbg_08.jpg
塗り分けが終わったら各レイヤーの上に塗り用レイヤーを置き、下のレイヤーでクリッピングしながら塗っていきます。ブラシは標準のものでは納得行くものがなかったので、自分で作ったものやダウンロードしたものを使用しました。基本的に水彩系とエアブラシで作業しています。デジタル上で水彩風を実現するのはいろいろ試したのですが今のところ納得行く結果が出ていないので今回は水彩風にはこだわらず、いかにもなデジタルイラストで行くことにしました。
各パーツごとに3レイヤーほど使います。最初のレイヤーを標準で塗り、その後乗算レイヤーで質感を作っていく感じでやっていきました。ただ、今回は塗り分け時点で完成色を想定していますので、いきなり乗算で重ねていくことが多かったです。
影の部分は塗り分けの時点ではパキッとしていますが、このままだとカッチリしすぎているのでクリッピングせずに塗っていきました。また、塗り重ねていくうちに塗り分け範囲と塗りたい範囲が異なってきてクリッピングでは不便になるため、別途選択範囲を作成してはみ出さないように塗りました。
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徐々にクリッピング範囲を大きくしながら質感をつけていき、最終的にはクリッピングなしのレイヤーに大きめのブラシでテクスチャを描いていきます。全体的なテクスチャ感は、筆でやる以外にもダウンロード素材などを乗算する方法もありますが、僕の場合は基本的に全部描いていきます。素材を探すよりもそのほうが早いので。
パソコンの画面は僕が実際に使っているパソコンのスクリーンショットを加工して画像化し、貼り込んでいます。ちなみにOSはUbuntu、Windows Managerはspectrwm、エディタはvimを使用しています。ルカさんガチです。
こんな感じで1枚あたり5時間くらい描けて塗りました。
完成動画はこちらです。
【巡音ルカV4X】 今夜もデバッグ 【エレクトロニカ・オリジナル】


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