vol.23 : 回る地球を3DCGで作る – その2


今回はモデリングです。


もう一度、ラフ絵はこちらです。
18_1_B.jpg
まずは小物から。

アンテナ

地球上に立っているアンテナらしきもの。本来は衛星と通信するアンテナはパラボラアンテナなんですが、今回はそれだと見づらいのでタワーの上にバーチカルアンテナが立っているものを作ります。今回の動画はリアリティよりも雰囲気重視ですし、そもそもサイズ的にもデフォルメなので細かいことは気にしません。ですが正しい知識を持っておくのは重要なので「この設定はフェイク」と意識した上で制作しましょう。(ちなみに僕はアマチュア無線技師免許を持っているので電波に関する知識はちゃんとありますよ)
22_antenna_model.png
これは板ポリを2つ交差させて作ったとてもシンプルなモデルです。今回はこの程度のローポリモデルで十分だと判断しました。テクスチャは貼らず、白いマテリアルを指定しているだけです。

衛星

衛星も設定資料を見て作りこむ感じではないので、シルエットでわかればOK程度のものにしました。
22_satellite_model.png
こちらもプリミティブを組み合わせただけのシンプルなモデルです。中央部はIcosphereの頂点数を減らしたものです。ミラー部は左右で90°違っていますが、これは動画にした時に光の当たり方が違うほうが複雑な形状に見えるだろうという理由でこうしています。マテリアルはアンテナと同じです。

電波っぽい何か

ラフ絵でZ型に飛んでいる電波か雷のようなもの。これが一応コミュニケーションを表しているイメージなんですが、これは最後に手描きで追加した方が味がありかつ簡単かなあと思い、今のところ今回は3Dでやるのはやめようと思っています。

地球

で、いよいよ地球なんですが…。
22_earth_model.png
ぶっちゃけモデル自体はただのプリミティブ(UV Sphere)なんですよね。ただそれだとのっぺりして手描き風にならないし絵として面白くないので、NormalマップをBakeして細かい凹凸をつけました。Normalマップについては後述します。
地球で重要なのはモデルではなくマテリアルとテクスチャです。
まず、テクスチャを用意します。ラフ絵と同じような感じで世界地図を描きます。今回はInkscapeを使用しメルカトル図法の世界地図をトレースして作成しました。できるだけデフォルメしてラフ絵の雰囲気に近づけます。この時点ではカケアミのような処理はしていません。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
次に、Normalマップ用の世界地図を用意します。Normalマップとはモデルの凸凹を表現するためのテクスチャのことで、白黒の明るさが凹凸の高低になります。今回は上の世界地図データを元に以下の様なものを作りました。こちらもInkscapeからの出力です。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
白いところが高いところ、黒いところが低いところになります。よく見ると境界がボカしてありますが、これはぼかしていない場合陸と海が90°の断崖絶壁で分かれてしまうのでなだらかにするためにボカしてあります。どのくらいの傾斜になるかはボカし方で決まりますが感覚的にはわかりにくいので何度かやって試すのが良いと思います。
※上の2画像は、クリックすると本番で使用している実サイズ(3508×1747)の画像がダウンロードされます。UVSphereに貼り付けてご自分の作品で利用するなどご自由にどうぞ。なお、この画像はクリエイティブ・コモンズライセンス(表示)で配布します。著作権は (C)TOMOKI++ に帰属しますが、この表示のみで改変/再配布/商用利用とも自由です。
今回はここまで。
次回はこのテクスチャを貼り付けてからレンダリングしてみます

現在の進行状況

作詞:100%
作曲:90%
編曲:80%
動画:18%

(2017/05/12追記)

完成動画はこちらになります!


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